【広報部見解】BTSのSUGAさんの寄付を報じた記事の表現について

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「ASDを治す」ではなく、「ASDの子どもをケアする」の表現がベター

BTSのSUGAさんがソウルのサブランス病院の自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちのためのセンターの設立に
多額の寄付をされたことを伝える日本の報道の中には、「自閉スペクトラム症(ASD)の治療」という表現がありました。
それを日本自閉症協会は支持するのかというご意見が寄せられました。
この表現では、「ASDを治す」というイメージになるからだと思われます。ASDは治すものではありません。
日本自閉症協会はHappy with Autism (自閉スペクトラム症のまま幸せになろう)と掲げています。

SUGAさんが寄付をされた同センターを詳しく紹介している韓国の報道をご覧ください。
https://www.koreabiomed.com/news/articleView.html?idxno=27983
この報道にあるように、同センターが行おうとしていることは、「ASDを治す」ということではなく、言語療法、心理療法、行動療法、音楽療法などの統合的なサービスを提供し、ASDの子どもに長期にわたる多分野にわたるケアの提供です。
よって紹介する記事の見出しは、「自閉スペクトラム症の子どもや青少年のためのセンター」という表現のほうが誤解を招かないと考えます。

また、「治療」という言葉ですが、日本においてASD児を支援するための各種の療法を医療機関で行う場合には「療法」という言葉が多く使用されています。しかし、治す行為ではないので語感が合いませんが病院によってはそれを「治療」としていました。
よって、これら療法を行うことを「治療」と表現しても不適切とはいえないと考えます。
また、これらの療法は医療機関以外でも行われています。その場合、多くはケアや支援としているようです。

今回のSUGAさんが寄付をされたセンターは、韓国の多くの自閉スペクトラム症の子どもたちの幸せにきっと役立つでしょう。
私たちもうれしく思っています。


(広報部)