タイトル | : Re: 返信 |
投稿日 | : 2020/06/12(Fri) 11:02 |
投稿者 | : トチタロ |
野獣先輩さん、こちらこそお久しぶりです、トチタロです。
あれ以上続けると、この掲示板の「ここを論争の場としないよう」という留意事項に抵触しそうだったので、返信は辞めようと思ったのですが、“意見交換”の範囲だったらいいかな・・・・と、せっかく記事を紹介していただいたので、返信させていただきます。
>
> ですが、重度の方でもグループホームを出て完全な一人立ちを20代でされた方も存在するため30代で自立できないはずないのです
> 「重度障害者 自立」と検索するとまだ記事が残ってると思いますので是非ご覧ください。
いただいたワードを使ってYahooで検索したところ、一番上にでてきたのが「特集/重度障害者の介護 介護と自立」の記事だったので、この記事を指しておられると想定して、私の意見を少し書かせていただきます。
よく自閉症者への支援を、一般の人のメガネや聴覚障害のある方の補聴器に例えることがありますが、この記事にある「福祉機器や自助具」も同じだと思います。
肢体不自由の方が電動車イスや自助具を使って、「グループホームを出て完全な一人立ち」をされたとき、「電動車イスを使っているから、完全な自立とは言えない。電動車イスを使わなくても歩けるようになって、はじめて自立と言える」とは誰もおっしゃらないと思います。
同じように、コミュニケーションや社会性に躓きがあるのが自閉症です。それが生涯にわたり続くからの“障害”です。(もちろん、特性に応じた療育や本人に合った支援グッズがあれば、社会における障害のハードルは低くなりますが)
自閉症者にとって、社会の中で自立していくために必要なのが、電動車イスに替わる、理解者や支援者であるように私には思えます。
自立とは、自分の意思で自分の人生を選んでいくこと、と私は解釈しています。そのための“手段”として電動車イスや支援者があるのではないでしょうか。
私も、ちょうど今晩はグループホームの支援に入りますが、言葉で話してくれる入居者もいますし、PECSを使って絵カードで要求を伝えてくれる方もいます。
どちらの方も、自分のやりたい事を選んで、今日の世話人の私に伝えてくれます。これが、自立への第一歩だと思っています。
もちろん、多人数が一緒に暮らし、世話人によってある程度管理されるているグループホームは、まだ“普通”の暮らしとは言えません。さらに自立度を高めるため、トイレや風呂が共用ではない、ワンルーム式の次のグループホームへの移行や、やがてはアパートでの一人暮らしまでを、会としてサポートしていく予定です。
ただそうなっても、金銭管理や栄養バランスを考えての食事など、少なくなっても支援は続けていくつもりです。
そんな支援を受けながらの自立を目指しています。
> わたしの中での自立は日本語辞典にもある通り「自立:自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって行くこと。」と思っております。
確かに、辞典でいう「自立」の定義はそうかもしれませんが、それだと経済的に主人の給料でやりくりしている専業主婦の方や、年金や子どもたちからの仕送りで生活している高齢者の方は自立していないのか、と言われると、そうではないと思います。
要は、自己決定権を持って生きているかどうかではないでしょうか?
> 特別支援学校卒業者にお聞きします。
>
> 「’’自立’’と’’生活単元学習’’」は結局のところ役に立ちましたか???
これについては、先に述べた自己決定権の意味での“自立”とは少し矛盾するかもしれませんが、誰か(ここでは先生)の指示によって動き、仲間と協同して作業するということを学んだことは、就職して働き始めて役にたったと感じています。
会社の中で働いていくためには、上司の指示通りに働くことが求められるからです。自分の好きなように、自分勝手に行動することは、会社の枠の中では認められません。
また、自閉症児はコミュニケーションは苦手ですが、仕事上で最低限のことは同僚と合わせることも求められます。
それが学べたのが、特別支援学校での授業であったように思えます。
・・・もしかすると、一般の高校・大学を出て就職して、人間関係で躓いて会社を辞めざるをえなくなった人たちの中には、それらの基本的なことを教えてもらっていなかった方がいるのかもしれませんね。
なにしろ、高機能であっても、暗黙のルールを自然に身につけるのが苦手で、きちんと教えてもらったことしか学んでいかない特性もある子どもたちですので・・・
以上、特別支援学校を卒業して、同じ会社で頑張って14年働き続けている自慢の息子(親バカでスミマセン)の父親からの意見でした。