タイトル | : Re: 自閉症の方と一緒に過ごして思ったこと |
投稿日 | : 2020/05/26(Tue) 11:47 |
投稿者 | : トチタロ |
参照先 | : ameblo.jp/tochitaro/ |
野獣先輩さん、こんにちは
> ふと、思ったことです。スレチかもしれないですが許してください。
確かに「スレチ」といいますか・・・「自閉症」というものについて、誤解されているように思えますので少し書かせてください。
今年32歳になる重度の知的障害を伴う自閉症の息子の父です。
“知的障害を伴う”と紹介しましたが、そもそも自閉症(自閉症スペクトラム)の判定基準には、知的障害の有無は関係ありません。
自閉症は、社会的コミュニケーションの弱さや、限局性の行動・興味(いわゆるこだわり)などから診断される障害です。
たしかに、昔、我が子が自閉症と診断された30年ほど前には、自閉症の80%近くは知的障害を伴うと言われていましたし、15年ほど前に自閉症児の児童デイサービスを始めた頃にも半数以上は知的障害をもつ子どもたちでした。
でも、今では私たちの児童発達支援や放課後等デイに通ってくる自閉症の子どもたち、大半は知的には遅れはありません。
(これは、知的に遅れのない子どもたちが増えたのではなく、自閉症の診断基準が浸透してきたため、“診断を受ける”子どもたちの範囲が広がってきたためと、個人的には思っています)
ただ、自閉症の特性としてのコミュニケーションや社会性には、同じように躓きがあるため、それを補い、伸ばそうとする療育を行っています。
放課後等デイに通ってくる小学生の子どもたちも、学校では普通学級、特別支援学級、それぞれ自分に合った学級に通っています。
知的障害を伴う場合には、特別支援学校を選ばれた方もいます(中には、知的には遅れがなくても、丁寧な指導がいいからと、特別支援学校を選ばれる方もいます)。
野獣先輩と一緒だったというお子さんも、知的には遅れはないけれど、自閉症という診断を受けたため、社会的コミュニケーションを早くから伸ばすため、一人ひとりに丁寧な指導が行われる特別支援学級を選ばれたのだと思います。
> あの子には絶対通常学級の方があっていたと思います。
そのお子さんには、特別支援学級の方があっていると、保護者の方が選ばれたのでしょう。
むしろ、最近私が気になっているのは、学校に通っている間は気づかれなかった、大学生や社会人になって、円滑な人間関係や共同作業を求められるようになると、うまく対処できなくなる青年たちです。
学校に通っている間は、テストでそれなりの成績をとっていれば、保護者も先生も安心しますし、また学校は授業も構造化されているので勉強だけしていれば目立たなくて、周りからも許容されている・・・実は、自閉症の特性を持っていたという場合です。
知的には、大学や大学院を優秀な成績で卒業されても、会社では周りとうまく合わせられなくて辞めざるをえなかったという、残念な実例も聞きます。
大人になってからの発達障害を診断して、支援につなげてくれる精神科医は、日本にはまだ少なく、深刻な問題だと思っています。
そうなる前に、小さい頃からの自閉症の特性に適した支援を続けていきたい・・・と願って、早期(2歳前から)診断を受けた子どもたちへの一貫した療育を心がけています。
> 私は今、24歳で思ったことなのですが仮にもわが子が途中で障害児と判明した場合は・・・
自閉症にとっては、早期発見、早期療育が大切だと思っています。
野獣先輩が24歳なのでしたら、“途中”からではなく、もしお子さんが生まれたら、我が子の発達の様子は“最初から”丁寧に見てあげてください。
お願いします。