<目次へ戻る>
自閉症の人と家族への心の支援を
生きていく意欲を失わせず、家族と本人の 心理的健康の回復を信じて関わること
■ 自閉症の人に対して
「この災害にあって驚いたでしょう」─安心するように伝える
 自閉症の人は、安心できる人とそうでない人とを見分けます。まず支援者は自分が安心できる人だと知らせてください。それには終始穏やかに優しくしてください。「この災害にあって驚いたでしょう」という気持ちを理解していることを伝えることにより、自閉症の人は落ち着いてきます。
 高機能自閉症やアスペルガー症候群の人に対しても同様にしてください。また、言葉を相手に通じるように選んで、コミュニケーションを持ち、本人の言いたいことを聞くように努めてください。

褒めること→見通しを持たせること→生きていく意欲をもたせること
 この大変な災害を切り抜けたことを「よく我慢したね」「君はあの災害で逃げられたのだよ」「家の人たちと一緒に逃げられて偉かったね」などと褒めてください。
 そして、これから先に起きることを説明します。支援者は、繰り返し状況を説明し、本人の気持ちを言葉にすることで、援助したい気持ちを伝えてください。障害があっても安心して生きていく意欲を失わせないように関わっていくことが大切です。

■ 家族への心の支援 ─まず家族を落ち着かせること
 家族への心の支援は、家族の絆が強められるような方向での配慮が必要です。
 まずそのためには、家族が落ち着くことが基本であることを伝えます。
避難所生活で親のストレスは人一倍たまっていきます。親の気持ちが鎮まり、生活が安定するように支援することです。新潟県中越大震災のとき、阪神地域の被災者がかけつけて経験を語り落ち着かせたように、親同士のピアカウンセリングも効果があります。
(社団法人日本自閉症協会会長 石井哲夫)


<目次へ戻る> <次へ進む>