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災害の現場からQ&A
Q1 ------------------
何がほしいのか分からなくて困りました。

「水要りますか?」「ミズイリマスカ?」、「ご飯は?」「ゴハンハ?」
このようにオウム返しされては、要るのか要らないのか、あるいは何か他にほしい物があるのか分かりません・・
       (消防署員)

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 実物(食べ物、飲み物)を見せて聞いてください。
 自分から要求(例えば「おなかがすいた」「のどが渇いた」など)を伝えられない人もいます。

Q2 ----------------------
 どうすればこちらの指示をうまく伝えられますか?
例えば座っていてほしい、動かないでほしいときなど、どう説明すればよいでしょうか。
   (ボランティア)

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 「座って」という声かけで座らなかったときは「椅子」や「座布団」を見せて身振り手振りで示して「ここに座ってね」と言ってください。
 絵カードなどを使って伝えたほうが分かりやすい人もいます。
 動作ごとに言葉を区切って「立って」→「おいで」
→「座って」のように声をかけてください。

Q3 -----------------
同じことを何度も聞いてきて、答えても、質問がとまりません。

  (ボランティア)
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 話している言葉とは関係なく、不安のあらわれかもしれません。何回でも聞いてあげてください。状況から推測されること(例えばテレビが見られない)を聞いてみることも一つです。また、自分の欲しい答えを自分の決めた言葉で言ってもらいたいだけのこともあるので、同じ質問を返してあげると、答えを言ってくれたり、納得して質問を止めることがあります。

Q4 -----------------
急に耳をふさいで騒ぎだしました。どうすれば落ち着きますか。

 (警察官)

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 子どもや赤ちゃんの泣き声や、体育館などの反響音が苦手なのかもしれません。
 さしあたり静かなところに移動させ、しばらく様子を見てください。
 刺激を遮断することも有効です(耳栓をつける、ヘッドホンをつけて好きな音楽を聴く、毛布をかぶるなど)。

Q5 -------------------
【災害時】おなかがすいているようなのに、おにぎりを渡しても食べません。

  (避難所スタッフ)
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 食べ物にこだわりがあるのかもしれませんし、食べ慣れていないのかもしれません。また、体調によるのか、環境の変化のせいか、何か理由があると思います。わがままではないことを理解してください。
 別の食べ物をすすめてみてください。
 食べ物に関する注意事項を「サポートブック」(P18)で確認してください。

Q6 ------------------
避難所で、「テレビが見たい」と騒ぎます。

「(テレビが見たいから)電気買ってきて」と言われても・・
(避難所スタッフ)
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 今は見ることができないことを伝えます。
 本人の好きそうなもの(本、ゲーム機、携帯音楽プレーヤーなど)を渡したりして、落ち着くよう試みてください。

Q7 -------------------
はしゃぎ方が強すぎるような気がします。

(看護スタッフ)
 疲れている時や、初めての場所なので興奮しているのかもしれません。
 また、体調の変化を示す前兆の場合がありますので、よく観察して対応してください。
 発熱の前や、てんかん発作の前兆ということも考えられます。

Q8 ------------------
包帯をすぐに取ってしまうので困っています。

(看護スタッフ)
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 傷にもよりますが、化膿しないように十分消毒して様子を見てください。
包帯やカットバンなどをすぐにとってしまう人の場合、適宜、消毒してください。

Q9 ------------------
避難先で処方薬がなくなりそうです。

  (親)

 まず医療スタッフを探しましょう。
 また、最寄りの病院に問い合わせてください。
「サポートブック」や学校の「緊急連絡カード」に処方薬、病院名、調剤薬局名の記載があれば、処方してくれます。また[おくすり手帳]、「処方箋のコピー」があれば見せてください。
何よりも、お薬がなくなる前に早めに相談してください。

Q10 ----------------
今回の地震では、非常ベルを鳴らしても分からない人もいました。どのように対応すればよいでしょうか。

(施設職員)
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 自閉症の人にとってシグナルは分かりにくいものの一つです。個別に声かけをしてください。
 また、学校、施設などでは繰り返し避難訓練が必要です。ただし、最初は混乱する人もいるので、あらかじめ説明したり、どうすればよいかを明確にしておくなどの手続きを決めてから実行することです。

Q11 ----------------
電車が止まって動かなくなりました。困っているようなのですが、どのように声かけをすればよいでしょうか。

 (駅員)
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 いつもと違う状況が起こって、どうしてよいか分からず、とまどっているのだと思います。このような場合には、「大丈夫だよ」と声をかけ、安心させてから、名前を聞いて、保護者・支援者に連絡してください。

Q12 ----------------
「ガッコ、ガッコ イク(学校、学校行く)」と騒ぎます。

 (自治体職員)
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 自閉症の人たちはいつもの生活が一番安定していられるので、そこへ戻りたいのです。学校や通園施設の再開予定日が分かれば、カレンダーなどを見せて説明してください。また、学校の被害状況を本人に見せて、納得してもらうのも一つの方法です。
 ただ本人が納得するまで時間がかかるので、待ってあげてください。

Q13 ----------------
避難所での生活が長びいて、本人も家族もイライラしてきました。どうしたらいいでしょうか。

 (母親)
 カウンセラーや主治医に相談してみてはどうでしょうか。
 また、野外で体を動かせる遊びや運動もいいかもしれません。
 可能であれば散歩などを毎日の日課として行えれば、気分転換にもなることがあります。ボランティアの方に連れ出してもらって本人も発散し、お母さんも休めるといいですね。
Q14 ----------------
在校時、就業中などに災害がおこったときの対応はどうなっていますか。親か関係者が迎えにいくまで保護してほしいのですが、どのような方法がありますか。

 (親)
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 学   校:「引渡しカード」「緊急時連絡カード」等を作成しているところもあります。保護者の方は確認をしておいてください。
通所施設:引渡しの方法を、本人、家族、施設側と、普段から対策を立てておくことが必須です。

Q15 ----------------
本人のことが分かるようなものがあればよいのですが・・

 (自治体職員)
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 「サポートブック」などを活用してください。
 本人のコミュニケーションのとり方、『配慮点』等を書き込んだ「サポートブック」を持っているかも知れません。自閉症の人は一人ひとり症状も対応も違うので、それぞれの人に合った支援をすることができます。

Q16 ----------------
どうしてほしいのか、言葉で言ってくれないので分からなくて困っています。なにか工夫はないでしょうか。

 (駅員)
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 ・言葉が不十分だったり、発音が不明瞭で聞き取れない人でも、字を書いて意思を伝えられる場合があります。
・コミュニケーションのための支援カードの活用 実物(下車駅や自宅が分かるための路線図や、地図)を見せたり、何を要求しているか知るために「トイレ」「食べているところ」や「携帯などで電話をしているところ」などの写真・絵のカードを用意しておいていただくと助かります。

Q17 ----------------
有効な安否確認の方法には、どんな方法がありますか。

(民生委員)
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 区域の自閉症の人の、災害時の安否確認の方法を、日頃から準備しておいていただきたいと思います。
 安否確認については、次のような方法があります。
NTT災害用伝言ダイヤル171の利用 体験期間 毎月1日(1月1日は除く)、
     毎年1月15日から21日、
     8月30日から9月5日
災害用伝言板サービス 災害発生時などに、携帯電話を利用して安否情報を登録、家族や友人の安否情報を携帯電話やパソコンから確認できます。
Q18 ----------------
避難場所の標識を教えて下さい。
  (親)  下図のような「広域避難場所」のサインと標識を普段から確認しておくとよいでしょう。自閉症の本人への防災教育として、災害時のユニバーサルデザインの学習を。

「広域避難場所」のサイン
(JIS案内用図記号)

避難標識、長野市の例

避難標識、高岡市の例

非常口
※非常口のマークは世界共通のマークです。

 以上は、あくまでも一般的と思われる対応の仕方です。
 自閉症の人はその特性・特徴が一人ひとり違うので、専門スタッフの支援を求めるようにしましょう。



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